日本に数ある職種の中でも、医療業界は慢性的な人手不足という大きな悩みを抱えています。人手が足りないとされる看護師ですが、職業としては人気ランキング上位に入っているのでなり手がいないわけではありません。実際に毎年大学や専門学校を卒業した人達が新卒として新たに看護師としてのスタートを切っています。希望者が多いにも関わらず人材が不足してしまうのにはいくつかの理由があります。その一つが女性の割合が高い職場ならではの問題として挙げられる離職率の高さです。
男性とは異なり、女性は結婚や出産を機に辞職をする人も多く、平均年齢が若い職場ではタイミングが重なって一度に大量の辞職者が出てしまうケースも少なくありません。結婚生活や育児が一段落して数年後に復職を希望をする人もいますが、ブランクを経ていきなり現場に復帰をしても勘を取り戻すのは難しいのが実情です。こうした問題を解決するには、企業や公的機関が積極的に無料で受講できるセミナーを開催してスムーズに復職ができる後押しをしていくことが求められます。
離職率が高くなってしまうもう一つの要因が職場の人間関係です。看護師はチームワークが要求される仕事ですが、元々女性はグループで行動することを好む傾向にあるため、意識をしなくてもチームとしてのまとまりはできます。しかし、転職や新卒として後から来た人がすでに構築されているグループに溶け込むのは簡単なことではありません。人間関係を良くするための改善も今後の大きな課題の一つです。